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ファミコンジャンプ、というゲームソフトをご存知でしょうか。
比較的最近……2018年７月７日に、週刊少年ジャンプ掲載作品が原作のファミコンソフトを多数収録した、ニンテンドークラシックミニ「ファミリーコンピュータ週刊少年ジャンプ」が発売されていて。ファミコンジャンプは続編のファミコンジャンプ2と共に、そこに収録されているので、多少は詳細を確認しやすい……かもしれませんが。
もともとのファミコンジャンプの発売日は1989年2月15日、とちょうど今から30年ほど前。最近50周年を突破した、週刊少年ジャンプの20周年……を記念して発売された、ファミリーコンピューター専用のゲームソフトでした。
それだけ前の話なので、さすがに多少記憶はあいまいですが。ソフト購入当時の私は、ドラゴンボールが大好きで。
ゲームのドラゴンクエストシリーズを買ってもらった理由が、ドラゴンボールの主役こと「悟空みたいな男の子がパッケージにいるから」漫画雑誌の週刊少年ジャンプを買ってもらい始めた理由が「ドラゴンボールが連載されていて、アニメよりも早く続けて読める……と同級生の男の子に教えてもらって知ったから」ジャンプで連載されてる他の漫画を読み始めたのも、ほぼ「なんとなく主人公が、黒髪でツンツンで悟空っぽいから」……だったぐらいには、ドラゴンボール一色。……ついでに言うなら、そういう理由でジョジョの奇妙な冒険も２部ラストあたりから読み始めました。髪が黒くてツンツン、強い、うん、同じ！……ぐらいの理由で。
話を戻しますが、ほぼ同じ理由、パッケージに悟空がいるからと言う理由で、誕生日かクリスマスのプレゼントで「ファミコンジャンプ」を買ってもらった……ものの。正直、当時のファミコンソフトは、ゲーム慣れした大人が近くにいない、ゲーム慣れしてない小学生が楽しめる難易度……ではないものが、ほとんどで。せっかく買ってもらっても、全然楽しめるレベルまでは進めずに。わりとすぐに投げ出して、買った親に嫌な顔をされた思い出、数知れず。
その後、成長して他のゲームをいろいろクリア、多少ゲームを楽しめるようになってから。かつて投げ出した、未クリアなゲームソフトたちに再挑戦した……ものの。半分ぐらいは自力でクリアできなくて。……改めて投げ出したり、裏技を使ってエンディングだけ見たり、中にはアクションだったせいか、確認したけどそもそもエンディングがなかった……みたいなゲームも多くあり。
その中でも、ツッコミどころが多すぎて、ジャンプ主人公・オールスターズなソフトが発売されるたび、思い出しツッコミを全力でしたくなる……自分にとってそんなゲームソフトが「ファミコンジャンプ」だったりするのです。
……物語は唐突に。
夜におそらく少年らしき、室内なのに帽子をかぶった子どもが、机にジャンプをおいて読んでたところ。……急にそのジャンプに吸い込まれ。彼の部屋に残るは、ただジャンプのみ……という場面から始まります。
……そもそも比較的最近の、ジャンプの読者アンケートですら「友だちになりたい主人公は誰ですか」な質問に「いません、人格がどうこうじゃなく、ヤツらの起こす事件に巻き込まれたくないんです、無事に生き延びられる気がしません」としか思えない自分。その自分の分身たる主人公が、別に吸い込まれたくもないのに、吸い込まれるという大事件。
あと当時のジャンプ、2019年の現代よりも、それはそれはバイオレンス。作風にもよるものの、だいたい毎週、誰か死んでる。……それでもまあ、例えば大好きなドラゴンボールの、明るく楽しい部分なら……と思っていたところで、海賊帽をかぶって二丁の拳銃を持った、コミカルな顔したミニドラゴン……ドラゴンボールの作者・鳥山明デザインの、ジャンプ20周年マスコットキャラ・ギャオが登場。
そのギャオは言いました。
「ピッコロ大魔王がこの世界を支配してるからどうにかして！大丈夫、きみはジャンプを思ってるからいけるよ！」※意訳
私は思いました。
「無理！」と。
いやいやいやいや、だってあんた、ピッコロ大魔王をなんだと思ってんの！？あいつ怖いよ！？上空から見える街並、躊躇なく一瞬で吹き飛ばして荒野に変えるド悪党だよ！？拳銃とかも効かないし、天下一武道会で悟空を破って優勝した天津飯ですら歯が立たないし、その主人公の悟空ですら数回死にかけて、やっと倒した相手だよ！？自分がその悟空だってならまだしも、こんな意味もわからず謎の世界に来たばかりの年端もいかない、ピッコロ大魔王倒したときの悟空より年下の女子に何ができるって！？あと私ドラゴンボールが好きなだけで、そんなにジャンプ全部に愛はないよ！？
……と言いたいのにそんな間もなく、問答無用でだだっ広いフィールドこと「エリア1」に投げ出され。
……しかたなくいろいろメニューとかシステムとか確認した後、そのフィールドを歩いてみるも。……そこはまるで『北斗の拳』のごとく、出会っただけで「いいカモが来たぜ！」と言わんばかりに、拳銃の弾っぽいものを子どものこちらに向けて撃ってくる、それはそれはヒャッハーなグラサンモヒカン、あるいはヒゲグラサンたちがウロチョロする、とんでもない世紀末ワールド。
「いやあああああ！なんだこの、199X年この世界は核の炎に包まれた！な世界観！そういやピッコロ大魔王、あんた確か国王になったとき『悪人どもよやりたいことをやれい』『悪と恐怖に満ちたすばらしい世界になる』とか言ってたね！夢叶ったねなんかおめでとう！でもそのせいでこっちは死にかけてるよどうしてくれるんだバーカー！」
と我ながら祝福したいのか恨みたいのかよくわからないことを叫びつつ、町っぽい場所に入ってみたら。その町もそんなヒャッハー楽園。ただし見た目は同じなのに、襲ってこないヒャッハーもいたりする。……が、そこまでにさんざん問答無用で襲われて、よくわからないままHP・体力的なポイントこと「ハート」を削られまくった後なので。……や、やられる前にやらねば！そうでなければ殺される！私はまだ死にたくない！と知らずに本来は襲ってこないヒャッハーを倒すと、主人公の心が悪に染まる。システム的に強制で。……何だこのトラップなシステム。
ちなみに町の店でアイテム「少年ジャンプ」を買って使うと、主人公の心は悪から正義側にむけて回復します。……そんな平和を説く漫画雑誌だったっけ少年ジャンプ。ていうかマジでこの世界観は何。既に善悪かかわらず見知らぬ人をこの手で消して、だいぶ心が荒んでるんですが。
……ゲームの主人公のみならず、プレイヤーの心も暗く悪に染まる中。南にいる……とか聞いて進んだ先、たぶん小屋か家にたどりつき。やっと自分の知ってる顔、ドラゴンボールのヤムチャに会えて。……こ、これで、これで少しは、楽に……！と涙ながらに思ったのに「ケンシロウならきっと君の力になってくれるよ！どこどこに行けば会えるよ！」と選択肢も会話もなく一方的な情報だけで、回復の一つもなく閉め出された。
……しばし呆然。
……い、いや！頼むから護衛してくれよ！他の漫画キャラならまだしも、ピッコロ大魔王ならおまえそれなりに因縁あるだろ！？せめてケンシロウのいる場所まで連れてってくれるぐらいの親切心はないの！？繰り返すけど、こちとら来たばかりの年端もいかない子ども、それも悟空よりも年下の女子ですよ！？おまえならそこらの悪党ヒャッハーぐらいならさくっと蹴散らせるだろ！？頼むよ本当マジで！せめて一泊の回復すらないの！？ていうかケンシロウって誰ー！？
と画面の前で叫んでも、気持ち何度もドアを殴っても。当然届かないどころか二度と中に入れず会えぬまま、ヤムチャに対する恨みだけを背負い、知らない謎のケンシロウをさがしに行くことになり。
……言われた場所もよくわからないものの、とりあえずそれっぽい場所をウロチョロして待ってたらケンシロウ登場。……当時はドラゴンボールぐらいしかくわしくなかったので、ケンシロウ？そんなキャラ、ドラゴンボールにいたっけ？とイマイチわからず、会うまで誰だか思い出せなかったが、ケンシロウとは『北斗の拳』の主人公。
あ、と、とりあえず知ってる、再放送のアニメで見たことある！『おまえはもう死んでいる』でヒャッハーモヒカンなザコ敵倒す、すごい強い人！よ、よかったあ……この人がいれば、私死なずにすむ……！とケンシロウが仲間になってくれて、喜んだのもつかの間に。……ケンシロウがケンシロウなのに、これ下手したら今回の主人公の方がマシじゃね！？と思うほどがっつり弱い。
漫画やアニメのイメージ的には、スピード由来か防御力か、それともパワーか知らないが。銃弾なんて効きもせず、ザコ敵なんか指一本で瞬殺……で普通にあってるはずなのに。現実には拳銃的な弾を食らいまくり、どんどんHP的なものが減っていく。……ゲームだから？ゲームだからとはいえ、あまりにも弱すぎじゃないかこれ！？ていうか死ぬの！？ケンシロウなのに死ぬの！？ある意味漫画ではほぼ見ることのない貴重なシーンだけど、別に今は見たくないよ、あらゆる意味で！とすごく不満を抱きつつ。次の仲間がどこかにいるらしい、そういう人探しなら……な流れで、ケンシロウと共にドラゴンボールの占いババを訪ねたら、請求される膨大な金。
……だからこっち、年端もいかない女子なんだけど。ていうかそれはシステム的に貯められるお金なの？個人的に今のところこのゲームで見たことないケタ数はじき出してますけど？とか思ってたら占いババ「こいつらに勝ったら占ってやるよ」と言い始め。
……ああ、ドラゴンボールでもこの展開あったなあ、えーと、そのときの敵は、バンパイヤと透明人間のスケさん、あとミイラくんとアックマン……だっけ？とちらっと思い出してたら、出てきたのがまさかの『キン肉マン』のバッファローマンとネプチューンマン。……ドラゴンボールで例えるなら、それこそピッコロ大魔王とベジータレベル、あるいはフリーザとセルぐらいの強敵で。
……殺す気か！？いや確信した、殺す気だよこれ！ひどいよ占いババ、あんた悟空が致死性の攻撃受けそうになったらそこまでせんでもとか止めてたじゃん！こっち現状それの数倍はかわいそうで気の毒な子どもだよ、ここに来るまでだけでも何人に雑に見捨てられてると思ってんだ手加減しろバーカー！
……とか気持ち叫びつつ。ケンシロウの尊い犠牲の上で、主人公がひいいいいと逃げてはロケットパンチ、逃げてはロケットパンチを連打で、とどめをさしてなんとか勝利。気持ち荒くなった息を落ちつけてると、占いババから次の場所に行ってこいと指定され。
……行った先、見つけた新しい仲間が『ついでにとんちんかん』というギャグ漫画の主人公こと抜作先生。
……占いババ、さっきのバッファローマンとネプチューンマンをくれませんか！？少なくとも威圧感考えるとプロレスラー的な見た目のあっちの方がすげえ頼りになりそうなんですけど！？ほらこっちが倒したんだから、もう用なしじゃね？そういう特典とかあってもいいんじゃない！？ケンシロウ見る限り、どうせ性能なんて大差ないだろ！？せめて見た目だけでも頼りがいあるタイプとか、そういうサービスないの！？
などと叫んでみてもこのゲーム、そういう仲間チェンジ制度とか当然ない。
しかたなく一度町に戻って回復アイテム買ったり、あとフィールドに散らばるドラゴンボールを集めてみる。……このドラゴンボール、７つ集めたらどういう願いが叶うんだろう？ゴールドとか経験値とか、すごいアイテムとかもらえるのかな？とちらっと思いつつ、集めて使ってみたら、ドラゴンボールの神龍が登場し。「わかった、死んだ仲間を生き返らせてやろう」と、強制一択で死んだ仲間が無事復活。
……いや、よかったと言えばよかったけどさ。なんかもうめんどくさいし、神龍、私のこと元の世界に戻してくれませんか、正直ジャンプの世界とかどうでもいいんで。ほら、私がいなくても、こんなに世界救った主人公たちがいっぱいいるから、きっと誰かがどうにかしてくれるよ！とか思ってみたところで、届くこともなくどうにもならず。……たぶんケンシロウとヌケサク先生がいないとどうしようもない、3D感あふれる平面ダンジョンに突入。
私の3Dあるあるですが、進もうと思うと進めず戻り、戻ろうと思うと戻れず進み。……とりあえず「上・右・左・右」などと、進路を雑に覚える方法でどうにか攻略。よくわからないまま「スパコン2」を手に入れる。……なんだこれ。
意味不明なまま「ケンシロウのパワーがアップしたぞ！」でケンシロウがパワーアップ。……スパコン2？スーパーコンピューター？あるいはスーパーコントローラー？……コントローラーの2なら最初からこのファミコンにもついてて本体にささってるんだけど……違うの？と何もわからないまま、ケンシロウとカイオウとの決戦に突入。ちなみに後に知ったがカイオウは原作のラスボスで。そしてこのファミコンジャンプのラスボス戦では、原作的には1部ラスボス・全体から見るとイベント中ボスなラオウと戦います。……おい、ゲームバランス！あと原作設定！
それはそれとしてボス戦なので。ケンシロウがカイオウと戦うものの。……当時は原作もよく知らず、ちゃんとした説明もほぼないので、セリフの「あたーっ」が攻撃で「うっ」がダメージなこともよくわからず。勝ってるのか負けてるのかわからないまま、曖昧に戦闘が終わる。……たぶん勝ったような。負けてたらドラゴンボール集めてケンシロウ生き返らせて再挑戦。
……何はともあれどうにかクリア。囚われの少女こと北斗の拳のリンを牢獄から救い出し。カイオウの支配は解け、このエリアの平和を取り戻した！……はーよかったー、これできっと、ひゃっはーな人たちも改心するか、いろんなところから消えて、エリアも平和になったよね！……な気持ちになったものの、相変わらずフィールドも町もひゃっはーの楽園。出会えば最後、問答無用で襲われる。
……勝利って、正義って、私のここまでの苦労って、いったい……！と落胆しつつも「ま、まあ、ケンシロウもボス戦前に謎のスパコン2でパワーアップしたし、ヌケサク先生もいるんだし、始めたばかりの一人のときよりは、次のエリアもちょっとは楽……かな？」と次のエリアへ入ったとたん。唐突に別れを告げ、去っていくケンシロウとヌケサク先生。
…………………………はい？
いろいろ言いたくて、あと信じたくなくて、一度戻って再び仲間にしようとしてみるものの、そんな救済処置などあるわけもなく。結局一人で孤独にエリア2へ。
……ここから記憶もあいまいで、今やったり見たらわかるかな？などと、検索とかしていろいろ見てはみたものの。……だいたい雑というか、どうもあまり納得できるストーリーというか、それなりに丁寧なイベントもほぼなくて。
過去と現在を行ったりきたり、過去でDrスランプ・アラレちゃんのアラレちゃんを仲間にし、キャッツ・アイの瞳に出会い。その後、現在に戻ってきて、シティーハンターの冴羽リョウとドラゴンボールの悟空を仲間にして、ドラゴンボールのカリンさまだかミスターポポだかのミニゲームはたくさんやった……あたりで、私のジャンプを救うための、世紀末ワールド旅……の記憶は終わってます。
とはいえこれを書くにあたってがんばって、購入当時、あと数年後、ある程度成長してからリプレイした……はずの記憶を思い出してみたところ。
ドラゴンボールの桃白白に襲われて、冴羽リョウの尊い犠牲のもとどうにか倒し、奪われていた悟空の武器・如意棒を取り戻し。それを渡して悟空を仲間にしたものの、やっぱりそんなに……憧れのイメージほどは強くなく、すごくがっかりしたような。
どちらかと言えば女子として、そもそも冴羽リョウに桃白白を倒し、助けてほしかったものの、プレイヤーである私の腕もあってそうもいかず。あとシステム上の問題で、桃白白のどどん波を、冴羽リョウの拳銃の弾、さらには下手したら主人公の生身パンチで無効化できたことも、それはそれで、どどん波に対する夢が壊れて悲しかったな……なことだけは、うっすらながらも覚えてたりするのですが。
今になって検索し、攻略フローチャートとかを見る限り。『おもちゃのクロス』という自分的にすごく謎だったアイテム名に覚えがあるので、もしかしたら全5エリアのうち、エリア3までは行ったかも？……ぐらいは覚えてますが、そこまで来ると、そのエリアのベースになってる漫画自体、タイトルしか知らないことが多かったため、余計に記憶が薄くなり。……結局どっかで見かけた最強のパスワードを入力、最終決戦に挑み、世界に平和が戻ったエンディングとスタッフロール……だけを見た記憶が残ってます。
正直内容どうこう以前に、全般に操作性があまりよくないアクションRPG部分が多め、かつ一部がコマンドRPGやミニゲームな構成。また、当時というか今でも、使用されている元作品を、自分はそんなにわからない……というか比較的知ってる漫画だけで構成されてるエリア1ですら、ヤムチャの対応などいろいろと腑に落ちず、ツッコミ疲れるゲームだったので。結果、ほぼエンディングだけ見たプレイ、にはまるで後悔がないですが。
ただ最近になって、謎だったケンシロウのパワーアップアイテム「スパコン2」。その正体が、当時そのファミコンジャンプを出した会社、バンダイが出してた別売のファミコン用コントローラー「スーパーコントローラーII」……当然『北斗の拳』原作には全く出てこない、リアルアイテムのことだったと知り。
…………こんなところに現実の商売混ぜ込んでくるんじゃねえわ！ただでさえむちゃくちゃな世界観だけど、さらに興ざめするだろうがああああ！と30年という時を超え。思い出しついでに改めて、心の底からツッコミたいな、とは思います。
2013/6/19
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