ジューンブライドの乙女たち

★アンジェリーク・リモージュが花嫁の場合

「……アンジェリーク。本っ当に、本当にあなたが結婚するのよね。……ウソ、じゃないわよね？」
「ロザリア……私、ロザリアにウソなんかつかないし、もし事情があってどうしてもウソをつかなくちゃいけないにしても、そのためだけに、ここまで準備しないわ」
「……そう、本当に……そうなのね」
「……ロザリア、泣いてるの？」
「……だって……あなたが本番で、とてつもないドジをかまして、とんでもない恥をかくんじゃないかと思ったら、気が気じゃなくて……！」
「そっち！？」
「……冗談よ。ウェディングドレス、すごく似合ってる。……あなたのことだろうから、何も心配はいらないだろうけど……あなたは、この私の大切な親友。……だから、幸せにならなかったり、何かあったとき、私を頼らなかったら、許さないわよ？」
「……うん、ありがとう、ロザリア」

★ロザリアが花嫁の場合

「うう、ロザリア〜！もう、今のロザリア、世界一、ううん宇宙一キレイ〜！いつでも、いつでも戻ってきていいんだからね！そしたら私と結婚しようね！」
「……アンジェリーク。……結婚式の当日にもう戻ること前提で、それも号泣しながら花嫁の私にプロポーズするのは、さすがにやめてもらえないかしら……？」
「だってぇ〜大好きな親友のロザリアが〜お嫁に行っちゃうって思うと〜！」
「……もう、わかってるわよ。ありがとう、アンジェリーク。……私も、あなたが……あなたが親友で、よかったわ」

★アンジェリーク・コレットが花嫁の場合

「あ〜！もう、アナタってばなんでそんなキレイに、幸せそうにしてるのよ〜！アンジェリーク〜！ワタシと結婚するって約束はどうなったのよ〜！」
「……レイチェル……たしかに、私はレイチェルのこと大好きだけど……それでも、そんな約束をした覚えはないわよ？」
「いい？アンジェリーク！アナタが結婚したって、遠くに行ったって、仮に離婚したとしても、ワタシとアナタの友情は、ゼッタイ！変わらず！永遠なんだからね！……他のことは何でも許すけど……それだけは、忘れたら、ゼッタイ許さないんだから！」
「……うん、もちろん！ありがとう、レイチェル」

★レイチェルが花嫁の場合

「結婚おめでとう、レイチェル。そのドレス、本当にきれいで、すごくレイチェルに似合ってる」
「アリガト☆アンジェリーク！みんな褒めてくれたけど、アナタにそう言ってもらえた今が、ホントに一番うれしいよ！」
「そう？よかった。……本当に結婚するんだね、レイチェル」
「……ちょっとぉ、何泣いてんのよ、アンジェリーク。さびしがることないって！……結婚しても、ワタシとアナタの関係は何も変わらない、そうでしょ？」
「うん、そうだね、わかってる。だからたぶん、これ、嬉し泣き。……幸せにね、レイチェル」
「もちろん、ワタシ、幸せだよ。……だから、これからもよろしくね、アンジェリーク！」

Fin.

（以下あとがきコメントにつき注意。読みたくない方は下のリンクか「戻る」機能使って逃げてください。）

　2023/6/4はプロポーズの日（6月第一日曜日がそうらしいです）と前日に知って。「へーそうなんだ、でも何も書ける気しないなー」と思いつつ、ふんわりアンジェリークで想像してたら「……うーん、なんとなく、親友の結婚式に出たら、アンジェリーク（金）とレイチェルは号泣しそうだな……なんとなく」などと思ったら書きたくなって。さらっと短く書きあげたものです。たぶん小一時間足らず。

　実は「エトワールだとタンタンが親友枠かな、それとも年が同じぐらいのはずの、研究所と占い師の女の子たちだろうか」などとは思って、ふわっとエンジュとタンタンで想像はしたんですが。すぐには資料になるものが出てこなさそうだったのでやめました。……あと想像しただけでも、親友枠と言うより頑固パパ枠だ、タンタン。

　親友設定の短い思いつきの会話文ですが、おつきあい、ありがとうございました。